思い出のせき麺。
5月 5, 2018 — 20:39

せき麺といううどんをご存知でしょうか。

細い乾麵なうどんで、原料は小麦粉と塩だけ。神奈川県の北西部で昭和の初めころから作られていて、工場周辺にしか流通しておらず、本当に周辺住民しか知らない(知られていなかった)謎の麺。

工場が新しくなった頃から地元産品として売り出すようになり、少しは名前が知れるようになったそうですが、それでも知らない人の方が多いかと思います。

工場にほど近いところに実家があったおかげでそれはもう何度食べたかわからないくらいで、何かにつけ食卓に上ってくるコシの無い細麺を見るたびにうんざりした思い出。夏休みの間など、昼飯に朝茹でて冷え固まった麺(共稼ぎだったので弁当代わりだったのでしょう)を何度食べたことかと思い出すと、あらためて食べてみようとなかなか思えず、気が付けば20年近く食べてなかった気がします。

久しぶりに食べたのは昨年末に帰省した際、お寺のS先輩宅で頂いたとき。極寒の野外で鐘を撞きまくったあとに食べた一杯が、あれ?こんなに美味しかったかな?と。

子供の頃あんなに食べていたのに、そんなに長いこと食わないなんてことがあるのか?と思い起こしてみても、やっぱり久しぶり。学生の頃も社会人になってからも食べた記憶が無いので、本当に久しぶりだったんじゃないかと。

その勢いでお土産に買って来たのをすっかり忘れていて、ゴールデンウイークも終わろうとしている今日になって、昼ごはんで食べてみましたけど、やっぱりこんなに美味しかったかな?という感想。思い出バイアスがかかり過ぎてるのかな。

昔に比べて製法も原料も良くなったのかも知れませんが、思いのほかコシがあって、ツルツルっと喉を通ります。

今回は濃縮つゆを使って冷やしうどんで食べてしまいましたが、本当は干し椎茸を入れた醤油ベースの温かいつゆで食べるんですよ。(と思うと冷やしで食べたのは初めてかも)

これが故郷の味なのかなぁと思いつつ、たまに食べるぶんには美味しいなと。(笑)